運負けたいありDiary

気まぐれに書きます。

女と付き合いたくてあがいたコミュ障オタクの話【 第0章】

 

 

読者の皆さま、大変ご無沙汰しております。

ごれいです。

 

 


まあ、前回更新から4年間何してたん?って感じなんですけど。

もうね、前置きもめんどくさいので単刀直入にお聞きします。

 

 


皆さんは、人生において「恋人が欲しい」と思ったことはありますか?

 

 


動機は何でもいいんです。一緒に趣味を楽しみたい、理解者が欲しい、異性に認められたい、独身になりたくない、癒されたい、エッチなことしたい、等々。

私見ですけど、一度も恋人を欲したことがない人なんて本当にこの世にいるのか疑わしいくらい、それは普遍的な憧憬だと思ってます。

 

 


今回は、そんなありきたりな感情に支配された僕の話をさせてください。

女と付き合いたくてあがいたコミュ障オタクの話。

 

 

 

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初めて明確に「彼女が欲しい」という気持ちが芽生えたのは、大学1年生の頃だった。(早速話長くなりそうな入り方ですまん)

 

 


大学入学とともに、周囲を取り巻く環境は一新された。

東京へ出る事が当たり前になり、華やかな人達が一気に増えた。髪型を整え、オシャレな服に身を纏い、たくさんの友達と、時には恋人を連れ添って歩く。そんな彼らの輝きに、僕は単純にも憧れた。

「大学では自分から動かなきゃすぐ置いてかれる、ぼっちになる」なんて話を浪人時代に幾度も聞いてたから、焦りとモチベーションだけは人一倍あったと思う。

ワイも大学デビューしたろ!冴えなかった今までの人生に別れを告げる時や!って息巻いて誰彼問わず話しかけに行く毎日。そんな愚かしくも何時に無く燃えていた時期だった。

 

 


実際、努力の甲斐あってヨッ友らしきものはできた。講義で会うだけの仲でも、独りでいる時間が減ったことで僕は安堵していた。

さらに、男子だけじゃなく女子ともそれなりに仲良くなれた。

一緒に講義の復習をしたり、SNSでふざけ合ったり。僕1人に女子5人のハーレム状態でキャンパス内を闊歩するなんて日もあった(過去の栄光)。

そうした中で、やっぱり気になる子もできた。お互いに昼夜逆転して深夜から明け方までLINE送り合ったりもして、幸せな気分だったなぁ。

こんな子がもし彼女になってくれたら……そう思うだけで胸が少しキュッとなった。彼女が欲しい、と、この時は間違いなく心から思っていた。

 

 


でもそんな愉悦の日々は僕には贅沢すぎたのだろう、長くは続かなかった。

今回の本筋じゃないから細かい事は省くけど、自分は好意を寄せてたのに相手視点ではとっくに飽きられてて終わり!みたいな。

夏休みが明ける頃には、あんなに楽しかった個人LINEも「楽単講義教えて〜」的なのしか来なくなったし、そこから雑談に繋げようとしたら普通に5日間未読無視された。


この時、 哀れな陰キャマインドを拗らせた僕は「立教のキラキラ女子って結局こんなのばっかりなんだな。あほくさ。」という思考になり、本っ当に萎え倒した。

でも、今思うとそれはひどく幼稚な他責思考だった。軽率に連絡を取り合える関係、それ自体はあくまで友達の域を出ないというのに、そこにあぐらをかいてアプローチらしいことを何もしなかったのは自分の方だ。

甘い飴が入ってくるのをただ口を開けて待つだけの浅ましい人間に、彼女などできるはずは無かったのだ。

 

 

 

そして同時に、これはきっと天罰なんだろうとも思った。

心の奥底で「【こマ?】ワイニキ、ポケモンサークルに所属するオタクなのにちゃっかりリア充もしてしまうwww」とか思った事、一度たりとも無いって言ったらウソになる。

そう、オタクにはオタク相応の大学生活がある。野郎共でギャハギャハ笑いながらポケモンとかアニメとか性癖の話をするのだって立派なキャンパスライフさ。そう思うと潔く諦められた。

 

幻想を捨て去るのは悲しいほど容易だった。楽な方へ、楽な方へと逃げればいいだけだから。

自分から話しかけに行くなんてもってのほか、下手な外面の取り繕いやモテ努力も痛いだけと思って全てやめた。反応欲しさにウケ狙いツイートを繰り返していたTwitterのリア垢は滅多に動かさなくなり、女子とはすぐ疎遠になった。

そうなると、ポケモンサークルとソシャゲ以外の時間が全て面倒に思えてきた。ヨッ友、ゼミメン、英クラ、その他諸々。今まで築いてきたサークル外の人間関係は、スマホのバッテリーに比例するごとく減少していき、充電しようとも思わなかった。

 

 

 

で、それ以降は女性に関して何も行動しない時期が続いた。

最優先事項はソシャゲのイベント、身なりは二の次。髪はろくにセットしない、コンタクトレンズ着けるのもめんどくてメガネで大学に行くことが増えていった。

恋愛トークを振られても「俺はもう今更そういうの要らないかなw」「彼女いなくても俺にはオタク達がいる!」とか言って流した。

今思うと、「自分は彼女欲しさを越えた先にいる無欲の仙人で、俗世の恋愛とは無縁なんだ」と必死に暗示をかけていたのかもしれない。

とにかく、この頃はポケサーのオタクと好き勝手遊ぶのがひたすらに楽しくて、今後の自分について何の危機感も持っちゃいなかった。

 

 

 

そして、そのツケは見事に回ってきた。

時は過ぎ大学4年生の春、当時22歳男性の僕。気づいたら女性とまともに喋れなくなってた。

いやまあ元からそうっちゃそうなんだけど、3年間大学生やってんのに1年生の頃の方が喋れてたってお前それどういう事?って感じ。何よりも、"女と話せない立教ボーイ"という矛盾と劣等感は、確実に僕の心に鋭いトゲを突き立てていた。

 

とりあえず、女性相手に一々ドギマギするのは情けないから本当にやめたい。

今になって恋愛したいヨ〜とか贅沢言うつもりないけど、適度に女慣れできる機会はないものか……

 

そう思い悩んだ結果。

僕は1つの答えに辿り着いた。

 

 

 

マッチングアプリ、Tinderがあるじゃないか!!!!!!

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それにより生まれたのが、この記事である。

 

女と会話したかった哀れなコミュ障オタクの話 - 運負けたいありDiary

 

スーパーざっくり要約すると

「異性との会話練習のためにTinderを始めてみたけど、最初に会えた人が典型的な裏垢女子でゲロ萎えた。その後も何人かと会ったけど、最終的に飽きてやめた。」

という内容。

 

一見めちゃくちゃな試みだけど、思い返せばこれこそが僕の原点だった。

以降は、時系列的にはこれの直後の話となる。

 

 


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上の記事に書いた初アポの子は、本当に怖かった。

女子ってだけで既にちょっと怖いのに、己の貞操観念がバグっている事を恥じもせずむしろステータスとでも思っているかのようなあの語り口。ポケモンで言うと、シングルレートバトルでカイオーガ出された上に初手からスピーダーでS2段階上げられたくらい衝撃的だった。

こんなんばっかじゃ会話の練習なんてまともにできやしないし、もうや〜めたと思いかけていた。

 

が、待てよ。

 

異性とマッチングが成立するたびに自己肯定感は上がるし、マッチ数を増やすために写真のチョイスやプロフの書き方を練るのもまあ面白いし、実際に会う前のドキドキ感もなんか癖になるし……。

あれ、コレって意外と楽しいのでは?とも思い始めていた。


僕は『はねろ!コイキング』といい『ポケモンスリープ』といい、ある程度要領を得たゲームにはひたすらハマり込む性分。

『Tinder』をマッチングアプリではなくソーシャルゲームとして認識した途端、不気味なくらいのめり込んでいったのだ。

 

 

 

皆さん知っての通り、Tinderは純真無垢な男女のためのアプリとは言い難い。

SNSにたまに出てくる広告を見るに、公式としてはイメージアップに注力しているのだろうが、それでもなお恋愛目的でない遊び人気質なユーザーが大多数を占めるのが現状だ。

でも、むしろそんな環境だからこそ、「彼女なんて作れまへん!笑」と予防線を張っていた僕にとっては、相手を気遣いすぎることなく会話練習ができる有効な場となったのだった。

 

 


そうして色んな人とマッチして会って話してを繰り返した結果、

完全に飽きてしまうまでの約2ヶ月間で5人と会うことができた。

 

正直、内4人とは一度会ったきりで終わってしまったのだが…。

1人、最終的に3回も会う事となり、僕の考えを大きく変えるきっかけとなった女性がいた。

 

以下、名前をA子と呼ぶ。

 

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大沢あかねに少し似ている


A子とはTinderを始めて2ヶ月した頃にマッチしたので、会う約束を取り付ける事自体には特段苦労しなかった。


①マッチ成立

②メッセージを数回ラリー

③地元近い事が判明

④ランチ誘う

⑤OKもらう


この流れで初回デートが決定。

いや、あまりにも展開が早すぎるだろ。アグロデッキか?あんなに毛嫌いしていたアグロシャーマンと同じ真似をしてしまった自分が憎い(ハースストーンの話です)。

 

 

 

〜1回目〜

 

横浜でご対面。A子は大学2年生で、おしゃれな感じだった(小並感)。

聞いたところ、Tinderは友達に勧められて始めたというよくあるパターン。

 

みなとみらいの観覧車が見えるパスタ屋でランチ。ペペロンチーノが美味しすぎて店内で横転したら普通に帰られた。嘘。

 

話の中でA子がポケモン好きと判明。ピカチュウイーブイ可愛い!みたいなのじゃなくて蝶舞ウルガモスでバトルツリー3タテする感じの好き度合いだったので大いに盛り上がる。その勢いでランチ後はポケモンセンターヨコハマへ買い物に行った。

 

流れでLINEも交換し、楽しい雰囲気のまま解散。

 

 


〜2回目〜

 

またも横浜。

前回LINEを交換してから1日3〜4通のラリーで会話していく中で、僕の当時のLINEトプ画がトリックアートだった事から話が膨らみ、一緒にトリックアート展へ行くことに。

 

お互いに楽しく写真を撮り合いながら進んでいき、LINEにその日のアルバムまで作成した。

個人LINEでアルバム作るのは何気に人生初で少し嬉しかった。


駅ビルのレストランでA子の先輩の恋愛事情やサークルの愚痴など話しながら夜ごはんを食べた。


帰り際、こんな会話があった。

 

A「今度、うちの最寄駅で夏祭あるんですよ」

僕「え、そうなんだ!」

A「結構大きめの花火も上がるみたいです!」

僕「じゃあさ、よかったら一緒に行こうよ」

A「やったー!行きましょ!」

 

そんなわけで、3回目のデートもすっと決まる。

 

 

 

〜3回目〜

 

相手の最寄駅の夏祭。

2人でかき氷を食べたり、適当な射的にチャレンジしてみたりと、夏祭りの雰囲気を楽しみながら練り歩く。

ただ、お互いにいつもより口数が少なかった気がする。人混み疲れか、今更の気まずさか、しばしの沈黙も訪れたところ…

 

やがて空が暗くなり、花火が上がり始めた。

 

A子が「お酒買って飲みながら歩きません?」というので、賛成した。

2人してどこに向かっているのかわからない人々の群れに混ざって、満開の花火を肴に缶酎ハイを飲み、

あー、久々に夏っぽいことしてるなあと思ったりした。

 

そんな感慨に耽っていると、ふとA子が口を開く。

「私、こうやって誰かと花火見るのすごい久しぶりで。元カレ以来かもです」

 

そういえば、A子の恋愛遍歴について何も聞いてなかった。

そこから、元カレの愚痴だったり、お互いの恋愛観だったりを話しながら歩いた。

 

気づけばフィナーレの花火が終わり、缶酎ハイの中身もぴちゃぴちゃと音を立てる頃。

 

 


A「………なんか、このまま彼氏できずに大学生活終わるのかなってぼんやり思っちゃって」


僕「わかる、考えちゃうよね。でもA子なら大丈夫だよ!おしゃれだし話してて楽しいし」


A「いや、そういうのいいですって!笑」


僕「いやいや、ほんとに!てかまだ2年生でしょ?俺なんかと違って今後いくらでもあるよ」


A「それが全然出会いが無いんですよ。恋愛したいなーとは思うけど、ときめく場面が無くて」

 

僕「うーん、そっかぁ…ときめくのって偶然だもんね」

 

A「そうなんです。普通に過ごしてても、いいなぁって思う人になかなか会えなくて。だから自分できっかけを作るしかないじゃないですか」

 

僕「うんうん、確かにそうなるね」

 

 

 

A「………ごれいさん」

 

 

 

僕「ん?」

 

 


A「ごれいさんは…良い出会いって、どこで見つければいいと思いますか?」

 

 


僕「………

 

 

 

………

 

 


………うーん、どうすればいいんだろうねぇ。

 

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ちょっと待てぃ!!


いや、ふざけんなよ!!!これはもうそういう雰囲気だろ!!!何だよ「どうすればいいんだろうね」って!!!委ねんな!!!お前に聞いてんだよタコが!!!

 

今でこそこんなの余裕でリーサル盤面だとわかるのだが、当時は冗談抜きで「告白する」という発想が浮かばなかった。

別にA子がタイプじゃなかったとかじゃない、むしろ可愛いし話しやすかった。ただ、数年間女性とまともに関わってこなかった弊害か、「女の子と一緒に夏祭に来て花火を見ている」という状況だけで満足しており、その先どうなりたいかを全く考えていなかったのである。

 

 


解散後、A子からのLINEが途絶えた。

そこでTwitterアカウント(特定済み)(←キモすぎ罪)を覗くと、


「もう無理だなー」


というツイートがぽつんと置いてあった。


救えない当時の僕は「あ、きっと僕のこと無理になっちゃったんだ。沈黙する場面あったしコミュ障がバレたかな。もう終わりか、悲しいなぁ」と思ったけど、

今振り返ると、一向に脈が無さそうな僕にいい加減見切りをつけたのではないだろうか。

夏祭りに誘って、お酒の力も借りて、ギリギリまで匂わせてくれて。決してガツガツ行く女の子じゃないA子が、どれだけ勇気を出してくれたことか。本当に申し訳ないことをした。

 

 


しかし、ここからだった。

 

僕はこの出会いを決して無駄にはしなかった。

 

 

 

この経験こそが、22歳男性恋愛奮闘記の、はじまりの一歩となったのだ。

 

 

 

第1章へ続く。